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ウェブログ=蜘蛛の巣丸太が「サイバー日記」になった理由

 ログといえば丸太だが、なぜそれが「日誌」の意味で使われるようになったのか。それは航海の世界と深い関係がある。

 ログとはもともと「丸太」のことである。中英語ではloggeで、おそらくスカンディナヴィア起源の言葉だろうとされている。古ノルド語のlAg(倒木)、古英語のlicgan(=lie「倒れる」)と類縁関係にある。

 この単語はいろいろと比喩的な意味で使われるが、特に航海における「測程儀」――船の速度を測る装置のことを指す。この意味で使われるようになったのは、綱のついた木片が海中に投げられて「丸太」のようにその場所にとどまって動かず、決まった時間にどれだけの長さの綱が伸びるかによって船の速度を測定した、という事実に基づいている。これはcommon logという。この言葉は現代のpatent log(曳航測程器、パテント・ログ)やcontinuous logにも使われているが、今はまるで違う方法で測定されている。

 通常の測程儀は、測程板(log-chipまたはlog-ship。これだけでlogと呼ばれることもある)と測程線(log line)でできている。測程板は半径5~6インチの薄い木製の扇形(四分円)で、弧の部分に鉛を付けて、垂直に立つようになっている。これは角と円弧の両端で測程線と結ばれている。測程線は7フィート3インチ(約14.4m)ごとの結節(ノット)で等間隔に分割されている。測程砂時計(log glass)の28秒間にどれだけ進むかで、時速何海里の速度であるかがわかるようになっている。測程線は測程リール(log reel)で巻き上げられていて、測程時には自由に伸びるようになっている。測程儀が海に投げられるとき、測程板は水面にとどまって固定され、測程線が後方に伸びる。28秒間にどれだけの結節分だけ進んだかによって船の速度がわかる。例えば28秒で3つの結節分の長さだけ進んだら、時速3海里というわけである。測程儀はその後改良され、まったく違う機構のものも登場したが、logという言葉はそのまま受け継がれた。
 こうして測程儀=ログによって測定された船の速度の記録、あるいは日々の船の航行状況の記録を総じて「ログ」というようになった。また、船の巡航・航海の航海記録すべてもログと呼ばれる。ログブックは航海日誌である。
 さらに、蒸気船その他の機械のエンジンやボイラーの稼働状況についての記録や表もログというようになった。

 現在は航海日誌だけでなく航空日誌もログブックと呼ばれる。コンピューターの世界では、データの変更などコンピューターの使用に関するさまざまな時間推移記録が「ログ」と呼ばれる。
 そういうわけで、ウェブログ(蜘蛛の巣丸太)は「ウェブにおける記録」という意味を持つようになったのである。日本でいえば以前からウェブ日記やニュースサイトの伝統があるが、これらすべて広義のウェブログに当たることはいうまでもない。ただ、限定的には、MovableTypeなどの「いわゆるブログツール」を使っていて書き手がブログと意識しているもの、を指す言葉として使われているようだ。