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物語理論辞典「ウェブログの定義」決定稿

※これはjill/txtに掲載されたfinal version of weblog definition(2003年6月28日投稿、8月22日改訂)の日本語訳である。物語理論事典のために書かれた500語の定義であるため、その表現形式・内容からの考察となっている。


ウェブログの定義 最終版
2003年6月28日

 これは、2005年に発刊予定のラウトレッジ社『物語理論事典』(the Routledge Encyclopedia of Narrative Theory)のために書いた「ウェブログ」の定義である。これは文字数と範囲が限られている。参照を含めて最大500語を守らねばならず、また物語事典のために書いた。アスタリスク(*)は、事典の他の項目への相互参照を示している。

更新:8月22日。編集者からいくつかの有用な意見をもらい、それに従って定義を修正した。この投稿には多くリンクされているので、最終版をこの投稿の最上部に置き、6月に編集者に送った草稿はラインの下に残してある。

【ウェブログ】 Weblog

 ウェブログ、あるいはブログ*は、頻繁に更新されるウェブサイトであり、日付の付いた記事が時間の逆順に並べられているために、最新の投稿が最初に現われる(時間順を参照)。典型的なウェブログは個人によって発表され、その様式は個人的かつ非公式のものである。ウェブログが最初に登場したのは1990年代半ばで、新世紀初頭にかけて簡単かつ無料の発行ツールが使えるようになってきたのに伴い、一般化しつつある。ネットに接続できるだれもが自分自身のウェブログの発行者となれるため、ウェブログの品質・内容・元気さはまさに多様であり、一つのウェブログの日々の読者は、一人握りというところから数万人に及ぶところまである。

 ジャンル*の例としては、告白的*なオンライン日記*から、特定の話題についての追跡、リンクやコメントを通しての活動に至るまで連なっている。ウェブログは主に文章であるが、音、画像*、ビデオを伴う試みは、フォトブログ、ビデオブログ、オーディオブログといった関連ジャンルを生み出した(インターメディア、メディア、物語を参照)。

 ほとんどのウェブログはリンクを豊富に用いており、関連する話題についての項目間のリンクをたどることによって、読者がウェブログ間の対話を追うことができるようになっている。読者は、ウェブログをどこから読み始めてもよい。最新の記事を最初に見てもよいし、検索エンジンや、他のサイト、特に他のウェブログからリンクされた古い投稿にたどり着くかもしれない。一つのウェブログにおいて、読者は様々な順序で読むことができる。時間順、テーマ別、登録項目間のリンクに従って、あるいはキーワード検索によって。ウェブログはまた通常ブログロールを含んでいる。これは、著者が勧める他のウェブログへのリンクリストである。多くのウェブログでは、個々の投稿に対するコメントを読者が投稿できるようにしている。

 ウェブログは連続的かつ蓄積的である。そして、読者は一回の訪問では少しだけ読む傾向がある。つまり、数時間・数日・数週間後に、前回訪問した後に書かれた記事を読むのである。この連続的または挿話的な構造は、手紙小説[epistolary novel]*や日記*に見られる構造と似ているが、これらと違ってウェブログは状況に応じて変更がありえ、書き手が書くことに飽きたときにだけ完結する(物語構造を参照)。

 多くのウェブログの記事は、完結で独立した物語として形作られ、そのいくつかは明示的あるいは暗示的に架空のものであるが、標準的な表現様式はノンフィクションである。いくつかのウェブログでは、構造あるいはテーマを強要する一貫したルールを使うことによって、個々の投稿の微少な物語に対してさらに大きな枠組を作り出す(Oulipo を参照)。こうして、フランシス・ストランド(Francis Strand)は自分のスウェーデンにおける生活の物語を、毎回スウェーデン語の単語とその翻訳で締めくくることによって結びつけているのである。他のウェブログは、さらに大きな物語を明白にすることによって、数は多いが似ていない記事群を結びつけている。「逃走者(Flight Risk)」は、ある女性相続人が家族から逃げることについて書いており、「デート・プロジェクト(The Date Project)」 は若い男がガールフレンドについて研究したことを文章化しており、ジュリー・パウエル(Julie Powell)は、ジュリア・チャイルドの料理本を通して進路を進もうとしている生活を描いている。

【参照】デジタル物語、伝記、物語への主題的アプローチ

【参考文献】
匿名 (2002) The Date Project.
Lejeune, Phillippe(2000)“Cher écran... ” Journal personnel, ordinateur, Internet, Paris : Seuil.
Strand, Francis(2003)How to Learn Swedish in 1000 Difficult Lessons
‘V., Isabella’ (2003) She’s a Flight Risk.
Powell, Julie (2003) The Julie/Julia Project. http://blogs.salon.com/0001399/
(2003年8月にアクセスしたウェブサイト)

Jill Walker
(501語)



[以下は初稿]
まさに、これは、2005年に発刊予定のラウトレッジ社『物語理論事典』(the Routledge Encyclopedia of Narrative Theory)のために書いた「ウェブログ」についての私の記事の草稿最終版である。私は最も重要なものごとを取り入れたと思うが、これについてはもっと書きたいと願っている――社会的側面や、特定のネットワークについて――。しかし、これはおそらく、物語理論に関心のある人たちのために500語で示したい内容にはなっていると思う。数名の方が提案してくださったように、執筆形式や街頭演説的側面についても追加していたのだが、ジャンルの正式な性質について第一文に残しておいた。それが重要だと思ったからだ。とにかく、私は数時間のうちにもう一度読み直し、荷造りして芝生を刈ったら送るつもりである(^-^)

【ウェブログ】Weblog

 ウェブログは、ブログ*としても知られているが、頻繁に更新されるウェブサイトであり、日付の付いた記事が時間の逆順に並べられているために、読者は最新の投稿を最初に読むことになる。その様式は個人的かつ非公式のものである。ワールド・ワイド・ウェブ上で自由に使えるツールによって、だれもが自分自身のウェブログを公開することが簡単にできるようになっており、ウェブログの品質・内容・元気さは非常に多様であり、一つのウェブログの日々の読者は、一人握りというところから数万人に及ぶところまである。ウェブログが最初に登場したのは1990年代半ばで、Blogger.comなどの簡単かつ無料の表現ツールが新世紀初頭にかけて使えるようになってきたのに伴い、ますます広く馴染みのあるものとなりつつある。

 ジャンル*の例としては、書き手の日々の行動や経験に関するオンライン日記*から、他の記事、特定のテーマの議論、街頭演説としての機能に対してコメントやリンクをする告白*性の少ないウェブログまで連なっている。ウェブログの主流の文章による形式に加えて、様式として音楽、画像、ビデオを伴う試みがあり、フォトログ、ビデオログ、オーディオログを生み出した。

 ウェブログにおけるそれぞれの記事は、さらなる情報へリンクする傾向にある。ウェブログの著者もまた、同様の話題を扱っている他のウェブログへリンクし、読者は関連する記事間に張られたリンクをたどることによって、ウェブログ間の対話を追うことができるようになっている。読者は、ウェブログをどこから読み始めてもよい。最新の記事を最初に見てもよいし、検索エンジンや、他のサイトからリンクされた古い投稿にたどり着くかもしれない。ひとたびウェブログを読み始めれば、読者はいくつかの方法で読むことができる。時間順、テーマ別、キーワード検索によって。ウェブログはまた通常ブログロールを含んでいる。これは、著者が勧める他のウェブログへのリンクリストである。また、多くのウェブログでは、個々の投稿に対するコメントを読者が投稿できるようにしている。

 ウェブログは連続的かつ蓄積的である。そして、読者は一回の訪問では少しだけ読む傾向がある。つまり、数時間・数日・数週間後に、前回訪問した後に書かれた記事を読むのである。この連続的または挿話的な構造は、手紙小説[epistolary novel]*や日記*に見られる構造と似ているが、これらと違ってウェブログは状況に応じて変更がありえ、書き手が書くことに飽きたときにだけ完結する。

 多くのウェブログの記事は、完結で独立した物語として形作られる。いくつかのウェブログでは、書いたものに強要する一貫したルールを使うことによって、個々の投稿の微少な物語に対してさらに大きな枠組を作り出す。フランシス・ストランド(Francis Strand)は自分のスウェーデンにおける生活の物語を、毎回スウェーデン語の単語とその翻訳で締めくくることによって結びつけている。他のウェブログは、さらに大きな物語を明白にすることによって、数は多いが似ていない記事群を結びつけている。「デート・プロジェクト(The Date Project)」 は若い男がガールフレンドについて研究したことを文章化しており、ジュリー・パウエル(Julie Powell)は、ジュリア・チャイルドの料理本を通して進路を進もうとしている生活を描いている。

【参考文献】
匿名 (2002) The Date Project.
Lejeune, Phillippe(2000)“Cher écran... ” Journal personnel, ordinateur, Internet, Paris : Seuil.
Strand, Francis(2003)How to Learn Swedish in 1000 Difficult Lessons
‘V., Isabella’ (2003) She's a Flight Risk.
Powell, Julie (2003) The Julie/Julia Project. http://blogs.salon.com/0001399/

(500語)

[さらに適切な文献が来年あたりに出版されるであろうから、刊行前には修正されるはずである。実際のウェブログへの言及を含むことについては確信がない――URLは変わるだろうから。おそらく、単に著者とテキストのタイトルだけを提示するほうがいい。そうすれば読者はそのウェブログまだオンライン上にあるかどうか自分で検索することができる。この記事の最後に虚構性についての質問を提起してもよかった(読者は、信憑性、虚構への怒り、悪ふざけ、真実を告げる義務についての議論などを想定するだろう)。しかし、そうするには他の内容の多くを削らねばならない。イザベラ・Vは「逃走者」を書いている女性の仮名である。あるいは、あなたが見たとおりにいえば、イザベラVは匿名の語り手・著者の名前である――そういうわけで、私はどのようにそれを参考文献で示せばいいのかよくわからない]

投稿者:ジル。2003年6月28日午後8時18分