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アクセスこわい

 「小学一年生ぶろがー・ななちゃんのお父さん」ことモダシンの永沢さんが、大手サイト「やじうまWatch」からリンクされたことで悲鳴を上げている。

Modern Syntax: またやられたーやじうまWatch

紹介してくれるのはありがたいのですが、事前に連絡が欲しいんです。でないと、知らないうちにここのaivy.co.jpのWebサーバがつぶれちゃってたりするんです(涙

普通だったらアクセス多くて大喜びなんでしょうけど、ものには限度ってもんがありまして・・・

アクセス・ノイローゼになりそうです。
(これで、アダルトサイトからリンクされたらまた完全に死ぬな)


 私自身も、やじうまWatchからのアクセスが急増したため、借りていたCsideNetのサーバーが耐えきれず、いきなりアカウント停止されるという悲劇を味わって引っ越した経緯がある。だから、「アクセス・ノイローゼ」という感覚はわかる。まさに「アクセスこわい」の世界である。だが、私はリンクするなとは言わない。その理由を書く。

 先月の「超本格会議」の帰りにArtifactの加野瀬さんと話して意見が合い、盛り上がったのだが、よほど頑強なサーバーを借りているのでなければ、アクセス数の急増は文字通り「サイトの存続にかかわる」ほどの恐怖につながる。

 私の経験だと、土佐日記ブログでYahoo!掲載+やじうまWatchからのアクセスが急増し、ついにサーバー移転を余儀なくされた。CsideNetは回線が太いのが長所だが、サーバーがそれに耐えられなかったのだ。で、そのアカウント停止についてもまたやじうまで取り上げられたのだった。ただし、同じようにやじうまで取り上げられても、アクセスの多寡はネタによると思われる。レッシグ教授関連でリンクされたときは、それほどのアクセスではなかった。

 もちろん、Yahoo!効果は大きい。ニッチなジャンル(Google AdSenseとか)であればアクセスはそれほど増えないが、女子十二楽坊資料館が載ってからはコンスタントに毎日千アクセスほどある。

 それ以外に、アクセス数急増の原因となるのが「リンクまとめ型個人ニュースサイト」の連鎖反応だ。このサイトは「RinRin王国」さんで真っ先に取り上げてもらうことが多い。すると、それが最大手の「カトゆー家断絶」さんや「かーずSP」さんで取り上げられる。すると数千から万単位のユニークユーザーが流れ込んでくることになる。そして、それは他の孫ニュースサイトで取り上げられ、10日くらいはアクセスが続くことになる。うちのサイトのネタは個人ニュースサイト向きなのかなあ。

 そして最大の恐怖がアダルトサイト「動画ファイルナビゲーター」である。ここにはアダルト以外にもいろいろ芸能関係などのニュースのコーナーがあり、そのアクセス数はもはや異常としか言いようがない。うちの場合は「女子十二楽坊13人の見分け方」がリンクされたわけだが、これは一日の瞬間風速2万ユーザーであった。加野瀬さんのところが綿矢りさネタで同サイトからリンクされたときは、さらにアクセス数が多かったという。しかもここが恐ろしいのは、1か月経ってもまだ数百アクセスがコンスタントにあるということだ。エロの力、恐るべし。

 だから、永沢さんのサーバーのように「しょうがくいちねんせいのななちゃんのサイト」なんていう関心を惹くようなネタがある場合、アクセスについて恐怖するのは実感としてよくわかる。たまに勘違いした人から「アクセス数を増やしたいと思ってやってるんだろう」とか言われることがあるのだが、日々アクセス数が増えすぎないように戦々恐々とやっている部分もあるのである(更新頻度を落としてみたり)。そして、ここが借りているレンタルサーバー「ロリポップ」さんには、いつも「転送量多くてすみません」と頭を下げっぱなしなのである。しかし、この値段でここまで頑丈なのはすごい。――というのは余談である。



 さて、本題に入る。永沢さんは「事前に連絡が欲しい」とおっしゃっている。しかし、私はそう思わない。個人的な要望だから正しいも間違っているもないのだが、実際に一度はアカウントを停止された「やじうま被害者」の一人である私は、あえて「事前連絡必要なし、リンクしたければしてください」と言う。

チェリオメアリー: やじうま Watch、つまんない

余計なお世話といえば、ネタ記事で取り上げるリンク先への事前報告を一切行ってないようです。ネタが個人サイトの場合、トラフィックの急増が運営面で悪影響を及ぼすことも多々あるし、ライターの山崎幸一氏もその影響力を自認してるはず。


kush's blog: blogと報道

問題点は2つ。1) 事前に掲載許可を求める連絡がなかったこと、2) 商業サイトに(勝手に)掲載されたことによって、アクセス過多に陥る危険があること。

刊行物として捉えるのはあまり現実的でない、というのが私の現状の判断です。


 私の考えは、Kushさんの意見に近い。

 そもそも、私自身が「WWWというのはハイパーリンクで成り立っているのだから、リンク拒否するくらいならWWWにデータを置くな(でなければ適切に自分の側でコントロールせよ)」という「リンク・リバタリアン」である(←これは今作った造語。リンクフリー原理主義とでもいおうか)。であるから、たとえ自分のサイトが崩壊する危機にさらされようと、悪意ある攻撃でない限り、リンクとアクセス流入は受け入れるべきだと考えている。

 もう一つは私自身のぐうたらな性格にもよるものだが「いちいちリンク許可を求めてこられても、対応するのが面倒だから勝手にリンクしてください」という思いもある。こっちの方が本音に近いかもしれない。むしろ、リンクせずに言及とか、陰でこそこそウォッチという方が気持ち悪いと思っているし、出典の明記という点ではむしろリンク推奨である。

 ネット上でのリンクは、出版物とは全然話が違う、という印象がある。で、実は、大規模な紙媒体メディアで紹介されると、ネット上でリンクされたときとは比較にならないほどのアクセスを集めることになる、というのも事実である。むしろ、新聞社サイトがURLを全角で表記し、リンクしないとか、あるいはネット上のサイトを話題にしているにもかかわらずリンクを全く紹介しないという傾向があったりするが、これなどはどういう意図があるのか、未だに理解しかねている。

 そういうわけで、私は「大手サイトは小規模サイトのことを思いやってリンクを控えるべきだ」という意見には基本的に賛同しない。もちろん、多くの人に紹介するより、そっとしておこうという気持ちが出てくるなら、リンク「しなくてもよい」。「空気を読む」という態度も否定しない。しかし、本質的にはリンクを遠慮すべきではない。
 そんなことを言い出したら、たとえば「カトゆー家断絶」さんなどは、新聞社やテレビ局、その他大手企業サイトなど、サーバーと回線がしっかりしている大規模サイトにしかリンクしてはいけない、なんていうばかげた話になってしまう。それでは、カトゆーさんの存在意義がないではないか。

 もしリンクされた側のサーバーが耐えられなかったらどうするか。そのアクセスに耐えられるようにインフラを整備すべきである。そして、頑強なサーバーと太い回線を確保して安価に提供できるサーバー屋さんは今後、重要な位置を占めることとなるだろう。
 永沢さんは技術者でもあるのだから、たとえば応急処置として「やじうま」からのアクセスを弾くこともできるはず。ページ閲覧のデータ送信が減る分、負担は減るはずだ。
 永沢さんが呪うべきは、大手サイトからのリンクではない。ななちゃんという驚異的なキャラクターをブログデビューさせ、blogpeopleという便利なシステムを作ってしまった永沢さん自身なのである。

 結論。私は「大手サイトは事前にリンク許可を求めるべきだ」という意見には賛同しない。少なくとも、他のサイトはともかく、このサイトについて事前にリンク許可を求めないでください。

 ……もっとも、動画ファイルナビゲーターさんレベルになるとさすがに怖いけどね(笑)

#関連記事:ARTIFACT -人工事実-: Discussion on 商業サイトでのサイト紹介問題



12:34追記。
永沢さんの記事を読み直したところ、「許可」ではなく「事前報告」でした。だいぶニュアンスが違ってしまいますね。
もっとも、私の場合は、アクセス解析でどこから大量アクセスがあるかわかりますので、それでいいや、という感じです。